制作期間:2012年9月~2013年4月
赤田谷戸駅の隣に位置する小さな駅、大六天駅周辺をB3パネルで作ることにしました。
赤田駅近くの棚田は田植え中の水田でしたが、今回は田植えをして40~50日位たち稲が60cmほどに育った水田を表現します。田植え直後の水田の作り方も前回から若干改善しました。
まず、0.4mm厚のボール紙の片面に3.0×3.5mmのメッシュを描いておきます。
反対の面にアクリル絵の具で田圃の土色を塗ります。
土色が乾いたら、全面にリキテックスのつや出しメディウムを接着剤代わりに塗り、1mm厚の透明PET樹脂板を貼り付けます。
ボール紙のメッシュの交点を目印に、縫い針を通す穴を開けます。前回は千枚通しで無理矢理穴を開けていたのですが、今回は電動ハンドドリルを使いました。と、言っても50年くらい前に自作した電動ハンドドリルで、16番の機関車に使っていたモーターの軸の先端に柄の短い片頭ピンバイスを固定し、プラスチックの懐中電灯の筒に入れただけの代物をがらくたの中から見つけ出し、試しに回してみたら見事に回ったので、1mmのドリル刃を付けて穴開けをしました。これにより穴開け作業の時間が大幅に短縮され、手が痛くなることもなく大助かりでした。
縫い針に60番の黄緑の糸を3本通して(2つ折りにするので稲は6本になります。)、水面側の糸がゆるゆるになるように縫っていきます。ゆるゆるの程度で稲の長さが決まります。糸の長さが長すぎると、確実に捩れて身動きできなくなるので、1回に使う糸の長さは70~80cmにします。
3列植え終わったら、糸のゆるゆるの長さを調整し、動かないように裏面をマスキングテープで固定しておきます。一度、糸の上端の折り返しの部分を切り離し様子を見てみました。
全て植え終わって、糸の上端を切り離し、7mm程度に切りそろえました。
2面の田圃で合計約1200株を植え終わるのに最初は手間取ったものの、慣れるに従い早くなり10時間ほどでおわりました。これでも前回より40%程のスピードアップを図ることができました。
石膏で田圃周辺の地形を作るとき、石膏が隙間に流れ込まないように、ボール紙と透明PET樹脂板を貼り合わせた断面部分をマスキングテープで縁取りをしておきました。
両面テープで6mm厚の発泡スチロール板を裏に貼り付け、田圃の位置に両面テープで固定しました。
デッキガーダーを架ける農業用水を田圃の脇に作りました。底に張ってある発泡スチロール板にアクリル絵の具で緑がかった流れの色を塗装後、2mm厚の透明塩ビシートを幅5mm程度にカットしアクリル絵の具のグロスメディウスで貼り付けました。
用水路の側壁を兼ねて6mm厚の発泡スチロール板にタミヤカラーのロイヤルライトグレーを塗ったものを水路の周辺にスチ糊で貼り付けました。
水面にグロスメディウスを塗り変化を付けると同時に、側壁との間にできた隙間を埋めておきます。
この段階で、デッキガーダーの橋脚を6mm厚の発泡スチロール板から切り出し、タミヤカラーのロイヤルライトグレーを塗りスチ糊で貼り付けました。まだこの後の作業が残っているので、デッキガーダーはレールと橋脚の隙間に挟まっているだけで固定してありません。
田圃の畝は石膏細工をするだけの隙間の余裕がないことから、6mm厚の発泡スチロール板から、畝の土盛りを切り出し、つながった畝の形にスチ糊で組み立て、下地としてアクリル絵の具のイエローオキサイドを塗り、スチ糊で貼り付けました。畝の角やつなぎ目部分の隙間などは、アクリル絵の具を盛って隠すことができます。農業用水の縁も同様に作りました。
畝周辺の地形も石膏を流して作ります。斜面部分は、小さくカットしたキッチンペーパーを溶いた石膏に浸したもので下地を作り、さらに上に石膏を流して成形しました。
畝周辺の石膏もアクリル絵の具のイエローオキサイドを塗り、乾いたら、全体に墨汁の薄め液を塗り重ねます。
塗りが完全に乾いたら、雑草を植えます。少し濃いめの木工ボンド薄め液を筆でぬり、緑褐色のターフをパラパラと振りかけ、乾いたら田圃の中や水路の中に落ちているターフを丁寧に取り除きます。
さらに、部分的に木工ボンドを塗り緑褐色のコースターフを重ねて固定し、上から緑色のターフを少し振りかけ、スポイトで木工ボンド薄め液をたらし雑草全体を固定します。
最後に、水路周辺を中心に緑色と明緑色のフィールドグラスを木工ボンドで固定し、乾いたらはさみで成形します。フィールドグラスの切りかすも丁寧に取り除きます。
デッキガーダーを橋脚に乗せ(固定はしてありません。)、0.5mm厚のバルサを墨汁の薄め液で汚した渡り板を枕木の上に固定したら、水田と農業用水の完成です。
ガソ101で記念撮影しました。