異人池駅周辺を作り始めました。
制作期間:2014年6月~2016年12月
TMS No.911に掲載
いつもと同じ要領で、異人池駅の駅舎(間口120mm、奥行き91mm、高さ58mm、ホームひさし等を除く。)を作ります。ただし、いつもより丁寧に作ろうと思います。駅舎は、切り妻の瓦屋根で外壁は下見板と漆喰壁仕上げにします。
まず、0.5mm厚の透明塩ビ板で4面の壁、待合室と事務所を分ける壁の心材を切り出します。この時、角柱の幅1.5mm×2本分幅を狭くカットします。
窓枠と引き戸は、エコーモデルのレーザー抜窓枠と引き戸を塗装せずに使います。2連の窓枠と引き戸の右側(手前側)になる窓枠と引き戸の縦枠の裏側にレーザー抜窓枠の使わない部分をゴム系接着材で貼り付けてから、窓枠と引き戸を塩ビ板の所定の位置にゴム系接着材で固定します。右側(手前側)の裏に貼った厚みで、2連の窓枠と引き戸が平らに固定されます。
墨汁薄め液を塗った0.5×1.0mmの角材を間柱として、0.5×0.5mmの角材を窓枠と引き戸の縁取りとしてゴム系接着材で貼り付けます。また、下見板と漆喰壁の境にも墨汁薄め液を塗った0.5×0.5mmの角材を貼り付けます。はみ出した接着材は、きれいに剥がしておきます。玄関とホームへの出入り口の縦の縁取りは、外壁の下見板と漆喰壁仕上げが終わってから取り付けます。
壁外側の上部は、白い漆喰壁としスケッチブックの紙を両面テープで貼ります。下部は、外壁材を3mm幅にカットした下見板を1mmずつ重ねながら貼り付けます。
ホーム側の壁の事務室入り口の上に「駅事務室」の文字を、改札口の上に時計を両面テープで貼り付けました。文字も時計もパソコンで作り印刷したものです。
壁内側も外側同様に墨汁薄め液を塗った0.5×1.0mmの角材を間柱として、0.5×0.5mmの角材を窓枠と引き戸の縁取りとしてゴム系接着材で貼り付けます。また、漆喰壁の境にも墨汁薄め液を塗った0.5×0.5mmの角材を貼り付けます。
下の窓枠から上を壁外側と同様に白い漆喰壁としスケッチブックの紙を貼り、下を羽目板張りとして2mm幅にカットした茶封筒を両面テープで貼ります。
事務室と待合室の境の壁も同様に事務室側、待合室側ともに漆喰壁と羽目板張りとします。したがって、一つ前の写真の事務室と待合室の境の壁の漆喰壁はまちがいです。
玄関とホームへの出入り口の縦の縁取りとして墨汁薄め液を塗った1.0×1.0mmの角材を貼り付けます。
0.5mm厚の透明塩ビ板を心材として、外側、内側に茶封筒やスケッチブックの紙を貼り付けることにより1.2~1.3mm厚の壁ができあがりました。これで、木造在来工法の壁厚がほぼスケールどおりになります。
事務室の壁にはパソコンで作成した時計(写真に写っていない待合室との境の壁)と黒板を、待合室の壁にはパソコンで作成した時計、時刻表、料金表、映画と観光案内のポスター(ネットで探した古いポスターを縮小)を貼りました。
壁を組み立てる前に、待合室の壁に墨汁薄め液を塗った0.5mm厚のバルサをカットしただけの、ベンチと切符売り場のカウンターをゼリー状瞬間接着剤で貼付け、小さな三角形の支えを付けておきます。
また、平側の壁の上下端と妻壁の下端に補強材として1.5mmの角材をゼリー状瞬間接着剤で貼付けます。このため、前もって補強材と干渉する間柱は、少し削っておきます。
壁の組み立てはすべてゼリー状瞬間接着剤を使います。壁組の構造は、角柱の内側の2面に外壁の断面が付き、角柱の外側の2面がすべて見える形式のコーナー処理としました。
まず、墨汁薄め液を塗った1.5mmの角材を角柱とし、妻壁に貼り付け、妻壁の屋根勾配に沿って角柱の頭を斜めにカットしておきます。平側の壁に、妻壁、事務室と待合室の境の壁を直角と床面との隙間に注意しながら貼り付け、箱状になったら、棟木として墨汁薄め液を塗った1.5mmの角材を渡しておきます。事務室と待合室の境の壁の頂上は、棟木が通過する分、少しカットしておきます。
この段階でひさしを付けておきます。玄関のひさしと事務室妻壁の窓のひさしは、0.25mm厚のプラ板に0.5mmの角材で瓦棒葺き仕上げとし、タミヤカラーのジャーマングレーを塗り、裏面に墨汁薄め液を塗った0.5mm厚のバルサを両面テープで貼り、ゼリー状瞬間接着剤で壁に貼り付けた後、0.5mmの角材で方杖を付けます。玄関横の窓のひさしは、ジャーマングレーを塗った0.25mm厚のプラ板の裏面に、墨汁薄め液を塗った0.5mm厚のバルサを両面テープで貼り、壁に貼り付けた後で0.5mmの角材で方杖を付けます。
箱の形を維持するためと、家具を配置するため事務室に床を作ります。多分、リングノートの表紙であったろうと思われる、1mm厚の焦げ茶色のボール紙を事務室の内側にはまるようにカットしておきます。レイアウトにこの床を固定し、駅舎の位置決めにも利用しようと考えています。
屋根はエコーモデルの瓦屋根としました。瓦屋根が少し湾曲していたため、矯正するために3mmの角材をゴム系接着材で棟木方向に貼り付けておきました。瓦屋根の裏に墨汁薄め液を塗った経木を両面テープで貼り付け、ゴム系接着材で屋根勾配に合わせて2枚を固定し、平側の壁より外側になる縁の部分にだけ墨汁薄め液を塗った1mmの角材で垂木をゼリー状瞬間接着剤で貼り付けます。墨汁薄め液を塗った0.5mm厚のバルサから切り出した破風板を貼り、棟木も妻壁の外側になる部分に貼っておきます。
エコーモデルの雨樋にタミヤカラーのフラットアースを塗り、ホーム反対側にだけ取り付けました。ホーム側はホーム差し掛けに雨樋を付けます。
軒樋に樋受け金具6本(本当はもっと多いはずですが。)と止まりをハンダでしっかり固定します。軒先に取り付けるときに樋受け金具が垂木と干渉しないよう固定する位置に気を付ける必要があります(本当は、樋受け金具は垂木に固定するもののようです。)。
縦樋にゼリー状瞬間接着剤で固定したつかみ金具を角柱に開けた3カ所の0.4mmの穴に差し、ゼリー状瞬間接着剤で固定します。
ホームの差し掛けは、玄関のひさしと同様に0.25mm厚のプラ板に0.5mmの角材で瓦棒葺き仕上げとし、タミヤカラーのジャーマングレーを塗り、裏に墨汁薄め液を塗った0.5mm厚のバルサを両面テープで貼り、1mmの角材で垂木をゼリー状瞬間接着剤で貼り付けます。
線路側軒先に軒樋をゼリー状瞬間接着剤で固定し、駅舎側断面部分にに0.5mm厚のバルサを2mm幅にカットしたものをゼリー状瞬間接着剤で固定します。このバルサ材のおかげで、差し掛けの反りが解消されます。差し掛けを駅舎に固定せず、取り外しできるようにしたいので、2mm幅のバルサ材の両端、駅舎の柱の位置に0.4mmの洋白丸線を埋め込み、ゼリー状瞬間接着剤で固定し、長さ2mm程度残してカットしておきます。
墨汁薄め液を塗った1.5mmと1.0mmの角材で小屋組みを組み立てます。柱、軒桁、ろくばりを1.5mmの角材で、方杖を1mmの角材で作ります。
柱の下に2mm厚バルサ材を3mm四方にカットし、タミヤカラーのロイヤルライトグレーを塗った束石を貼り付けます。中央の2本の柱には青地に白文字の駅名標をパソコンで作り貼付けました。また、中央のろくばりにパソコンで作成した時計(2枚を貼り合わせ両面から見えるようにしてあります。)を0.4mmの洋白丸線を介して吊しておきました(改札口の上に貼った時計は、差し掛けの陰になり見えなくなるので、剥がしました。)。
差し掛けと同様に、小屋組を駅舎に固定するため、ろくばりの駅舎側先端に0.4mmの洋白丸線を埋め込み、ゼリー状瞬間接着剤で固定し、長さ2mm程度残してカットしておきます。駅舎の柱の対応する位置に、0.4mmの穴を開け、洋白丸線を差し込み、ゼリー状瞬間接着剤で固定します(洋白丸線が有ると無いとで強度が全く違います。)。
駅舎に固定した小屋組の上に差し掛けを乗せ、差し掛けとろくばりの隙間の寸法を確認し、墨汁薄め液を塗った1mmの角材でつかともやを作り、ろくばりの上にゼリー状瞬間接着剤で固定します。
同時に縦樋の形を決め、両端の柱に固定します。
駅舎の柱にさし込んだ差し掛けの0.4mmの洋白丸線と縦樋の集水器と軒樋との噛み合わせで、差し掛けが定位置に固定され、かつ、取り外し可能となります。
これで、駅舎の建物はほぼできあがりました。
事務室の家具をバルサ材と0.5mmの角材で作ります。
机の天板は、0.5mm厚のバルサ材を2枚重ねて貼り合わせます。このとき、底側になるバルサ材の四隅の角を1mm四方だけカットしておきます。足は0.5mmの角材を所定の長さにカットし、底板の四隅の角のカットした部分に固定します。
偉い人用の大きな机の脇には、4mm厚のバルサ材をカットしただけの引き出しを貼り付けておきます。
椅子は、0.5mm厚のバルサ材1枚で座る部分を作ります。これも四隅をカットしておき0.5mmの角材を脚にして固定します。背側の脚は、上まで伸ばし、1mm幅にカットした0.5mm厚のバルサ材を背中が当たる位置に貼り付けます。
机と椅子は塗装を施していません。
ロッカーは、4mm厚のバルサ材を2枚重ねて貼り合わせ(単に8mm厚のバルサ材が手元に無かったからです。)カットし、表面にカレンダーの紙を貼り付け、灰色を吹き付けただけです。
ホーム側窓際の机の上に乗せる通票閉塞器を2つを赤く塗った4mm厚のバルサで作りました。ホームから窓越しに見えます。
切符売り場の机の前面に4mm厚のバルサで作った切符棚を貼り付けます。
これらの家具を、事務室の床となる1mm厚の焦げ茶色のボール紙に固定しました。
最後に、パソコンで作った駅名板を墨汁薄め液を塗った0.5mm厚のバルサで裏打ちし、玄関のひさしの上に取り付け、0.5mmの角材で後ろから支えてあります。
仕上げにLED照明を付けます。広角3mm電球色LEDを事務室、待合室、ホームに各1個直列に付けます。抵抗は1/4W、240Ωの小型カーボン抵抗1個となります。
事務室の棟木にLEDと抵抗をゴム系接着材で固定し、待合室も同様にLEDを固定しました。ホームの照明は事務室入り口の上の壁に穴を開け、LEDの脚をさし込んでゴム系接着材で固定しました。
配線は、極細0.14mmのポリウレタン銅線の撚り線を使用しました。極細と言うだけあって壁に沿い木工ボンドで簡単に固定でき、配線が目立たなくなりすっきり仕上げることができました。
嗚呼、屋根と妻壁の隙間から光が漏れている。