1.赤田谷戸駅周辺(2007年3月完成、TMS No.784掲載)

作成方法の概要

枠組み

  • A1パネルに20mm厚のスタイロフォームを2段重ねに貼り、表面に3mm厚のベニヤを。
  • パネルの表面が水面のレベル、1段目のスタイロフォームの表面が一番低い棚田のレベル、ベニヤの表面が、市街地の地盤面かつ道床のレベル。

地形

  • スタイロフォームを削り、駅側半分と棚田側半分に大きく区分し、駅側は平地、棚田側には、築堤と農業用水を、両者に挟まれたコーナー部に、スタイロフォームの 切りカスを積み重ね、里山を表現。
  • 築堤、農業用水の堤防はスタイロフォームを芯に、レンジ布巾を使った草地にターフやフィールドグラスで変化を。
  • 里山は荒削りのスタイロフォームの上に、シーナリープラスターに浸したキッチンペーパーを貼り付け下地とし、着色後フォーリッジの下草を植え、針金とターフを使った樹木を植え込む。
  • 切り通し部分の石垣は、バルサ板に小石を接着し、上からシーナリープラスターを刷毛塗りし、乾く前に布で拭き取り、着色。一部は、下地のまま着色し、グロスメディウスを数回塗り重ね、崩壊し、地下水がしみ出た地表を表現。
  • 農業用水と田植え前の水を張っただけの棚田は、下地にケント紙を貼り、アクリル絵の具で水の色を塗り、2mm厚の透明塩ビシートを形に合わせて切り出し、周囲につけた両面テープで張付け、塩ビシートの表面にグロスメディウスを筆で波打つように塗り水面を表現。
  • 棚田周りの畦は、スタイロフォームの切りカスにシーナリープラスターを重ね、ターフを降りかけ、フォーリッジやフィールドグラスで変化を。
  • 畑はスタイロフォームの切りカスを芯にシーナリープラスターで畝を作り、フォーリッジなどを植え、一部にほうきのシュロで組み立てた支柱も。
  • 市街地部分は、ベニヤの表面にシーナリープラスターを筆塗りし、アクリル絵の具で着色後、灰を茶こしで散布し、地面を表現。道路の両側にはバルサ板で囲った側溝を設置。

線路

  • 篠原模型のフレキシブルレールと200mmのカーブポイント。ポイントマシンは、息子の残骸の中から見付けた篠原模型。ついでにポイントマシン用のスイッチも、息子の残骸からトミックスの古いスイッチを見付け、分解し、枠に取り付け。なお、道床の裏側に取り付けたポイントマシンがあたる部分は、前もってスタイロフォームをくりぬいた。
  • 側面を錆色に着色したレールは、ゴム系接着剤で接着し、バラストを蒔き、薄めた木工用ボンドで固定後、枕木と一緒にアクリル塗料で着色。
  • プレートガーダはペーパーとアングル材で自作。橋脚はスタイロフォーム。

建物(すべて自作)

  • 駅構内に駅舎、便所、詰所、貨物上屋、倉庫を、駅に隣接し製材所の小屋を、駅前の店舗として、廃業した自転車屋が営む自転車預かり所、駄菓子屋、駅前食堂、酒屋を、さらに畑の横に農具小屋を配置。
  • (作り方の基本)寸法は、半間を10mm。事務用の二つ折り厚紙フォルダー(茶系、グレー系の色あせたもの)で壁を切り出し、窓、出入り口等を抜いた後、茶封筒に薄めた黒のアクリル絵の具を歯ブラシでこすり付けたもの(白塗りの駅舎など、壁板に色を付ける場合は、一旦薄めた黒で塗った後から、目的の色をドライブラシで塗る)を3mm幅に切り、下見板として両面テープで1mmずつ重ねながら貼り付けていく。
  • 窓はOHPフィルムを窓枠に合わせて切り出し、下見板の材料を0.4mm幅に切り、窓枠として両面テープで貼り付けてからはめ込む。
  • 壁の裏に2mmの角材で補強をし、同じく2mmの角材を四角の柱として建物の形に組み上げる。土台も2mmの角材を使用。
  • 屋根は、エコーモデルの瓦屋根や波板で、トタン屋根はプラ板とプラ棒で表現。雨樋はプラの半円の丸棒(横樋用、1.5mm)と針金(縦樋用等、0.9mm)、漏斗の部分は角材で組み立て。
  • 壁に貼ったホーロー看板、映画のポスターや駅前の観光案内等は、インターネットで探したそれぞれの正面写真を縮小し、プリントアウト。駅名や店の看板等はパソコンで作成。

樹木

  • 針金を束ねてねじり、紙粘土で整形した幹、枝に、ライケンやフォーリッジをゴム系接着剤で付け、さらにスプレー糊を吹きかけ、ターフを振り掛けた広葉樹ばかり。次回はドライフラワーを使った針葉樹も。

自作した小物

  • ホーム上の駅名標、流し、蛇口、腕木式信号機の梃子、ベンチ、植木鉢
  • 踏切警標と柵、電柱、古枕木の柵、距離標、終端標識付きの古枕木を積んだ車止め、各種注意標識
  • 駄菓子屋の雑貨、駅前食堂のサンプル、酒屋のビールケース
  • 貨物上屋の貨物類、スノコ、はしご

キットや完成品を利用した小物

  • 腕木式信号機は津川洋行を組み立て、ロッドを0.4mmのプラ棒で追加。
  • ダルマ式ポイント転轍機はモデルワーゲン
  • 自転車、リヤカー、ポスト、バケツ、スコップはエコーモデル
  • 人形はカトー(足を切断、短くし日本人らしく加工、色を塗替え、加熱して手足を曲げた。)とエコーモデル(従来品は在庫が無くなっているので、保線区員が菅笠をかぶり、畑で鍬を振り上げたりしている。)
  • 自動車は津川洋行のスバル360、ダイハツミゼットとタイムのトラック
  • ガソリン計量器はいさみやロコワークス
  • ドラム缶は息子の残骸で出所不明