異人池駅周辺制作記録

7.レールの敷設とホームや道路、建物の基礎を作る

異人池駅周辺を作り始めました。
制作期間:2014年6月~2016年12月
TMS No.911に掲載

レールを敷設する準備として、2mm厚のコルク板をカットし、路盤としてシナベニヤの上にゴム系接着材で貼り付けました。手前の駅構内部分は、全面コルク張りとしたのですが、後から少し剥がしました。
駅構内部分には、スイッチマシン用の穴とターンテーブル用の穴を開けてあります。

レールはいつもどおりPECOのレールを使います。
最初に、異人池駅の4つのポイントを敷設します。これで全体の線路配置が確定するので、慎重に位置を決める必要があります。
ポイント敷設の前に、今回は実感的な動きを求めて、トータスのスローアクションタイプのスイッチマシンを使うことにしたので、PECOのポイントを加工する必要があります。PECOのポイントはバネの力で、先端軌条をレールに押しつける構造になっているため、このままではスローアクションタイプのスイッチマシンには適さないので、転轍板についているバネを取り外します。これで先端軌条はフリーの状態になります。転轍板の中央にスイッチマシンのスプリングワイヤを通す穴を開けておきます。ついでに転轍板の両端についている変なボッチを切り落としました。

路盤と転轍板に開けたスイッチマシンのスプリングワイヤを通す穴の位置を目安に、ポイントをゴム系接着材で固定します。完全に固定されたら、台枠ごとひっくり返して、トータスのスイッチマシンを取り付けました。台枠が分割式だと、こういう作業は楽です。比較的簡単に取り付けられました。9V程度の電流でちょっと音が気になりますが、ゆっくり切り替わります。完全に切り替わると、音も静かになり、通電したままなのに気になりません。一つのマシンで15~16mAと説明書にありました。建物に使っているLED照明の定格電流が20mAですから、通電したままでも安心です。
ちなみに、ポイント4つにマシン3つの訳は、ナローガレージさんの入荷待ちです。

駅構内のレールをすべてゴム系接着材で固定し終わりました。ターンテーブルも設置しました。ターンテーブルは、台枠のシナベニヤの上に乗る形で設置し、ターンテーブルのレールと周辺のレールの高さをそろえるため、ボール紙やカレンダーの紙をシナベニヤとの間に挟んでターンテーブルの高さを微調整しました。

この段階で、可能な限りの電気配線を行います。
相変わらずアナログ運転なので、デュアル・キャブコン方式です。本線ブロックと駅構内ブロックの2ブロックに区分し、さらに駅構内の留置線の一部、転車台、車庫は独立した区間としてそれぞれ個別のトグルスイッチで通電を切り替えます。
フィーダー(駅構内部分だけです。本線のフィーダーは奥の台枠と結合し、本線のレールを敷設してからです。)として、0.6mm径の真鍮線をL字に曲げ、頭の部分をレールに沿うように少しひねったものをレールに半田付けしました。真鍮線はコルクの路盤、シナベニヤを突き抜けて台枠の裏に飛び出しています。コードをこの飛び出した真鍮線にハンダ付けします。コードを直接レールに半田付けするより目立たなくなりました。
レールの繋ぎ目も、通電を確実にするため0.6mm径の真鍮線で繫いであります。

トータスのスイッチマシンには補助接点が付いているので、ポイントの通電確保に利用することにしました。
トータスのスイッチマシン1個の配線と、本線のフィーダーに繋ぐ配線が宙ぶらりんになっていますが、線路関連の電気配線が終了です(実は先日、ナローガレージさんからトータスのスイッチマシンの入荷の連絡が来ました。)。
相変わらず、ぐちゃぐちゃの配線で恥ずかしい限りです。

手前の縁取りはコントロールパネルを兼ねています。縁取り用の4mm厚のシナベニヤを緑色に塗り、スイッチとDCジャックを取り付ける穴を開け、配線作業をやりやすくするため2個の蝶番で手前に開くようにし、閉じるときは木ねじで台枠に固定します。

左から順に、建物などの照明用電源のDCジャックとスイッチ(配線はまだです。)、ポイントマシンの電源(9VのACアダプター)用DCジャックと切り替えスイッチ(トグルスイッチ2回路2接点、ON-OFF-ONタイプ)、運転用電源のDCジャック2個、両者の間に本線ブロックと駅構内ブロックの切り替えスイッチ、右端に留置線の一部、転車台、車庫の電源スイッチが並んでいます。

入荷待ちだったトータスのスイッチマシンも届き、駅構内の配線も終わったので前後の台枠を8本のボルトで連結し、本線部分のレールを敷設、電気配線しました。
農業用水上のデッキガーダーを架ける部分は、ゲージ保持のための3本の枕木を残し、スタイロフォームの端材で仮に支えてあります。
しばらくの間、いろんな車両で試運転を繰り返し、レールの微調整をするつもりです。

レールの着色、バラスト撒き、バラストと枕木の着色をどんな順番で行うのか、いつも迷いますが、今回はとりあえずレールの着色を先に行うことにしました。バラストを撒き、バラストと枕木の着色をした後で、もう一度レールの着色を手直しすることになるのですが、今の段階でレールだけ着色する方が作業が楽なような気がします。今の段階なら台枠を立てたり、傾けたりと、塗りやすい向きに自由に、少々乱暴にでも動かせるからです。
タミヤカラーのフラットアースを塗り、乾いたらバルサ材の端切れと棒の先に付けたキッチンペーパーにシンナーを浸したものを駆使して、レール表面の塗装を剥がしました。レールの内側は、塗り残しがあったり、少々は剥がれていても気にしません。通電効果を考えるとレール頭の側面だけでもしっかり剥がした方が良いのかもしれません。

バラスト撒きに入る前に、幾つか終わらせておくことがあります。ホームを作ることは当然ですが、残っている建物や街灯の電気配線をするときに、台枠をひっくり返してすることになるので、これもバラスト撒きの前に終わらせておいた方が安心です。建物や街灯の位置を確定するには、道路の位置も確定する必要があるため、道路の基礎も作っておく必要があります。
まず、ホーム作りからです。ホームと駅舎の基礎は10mm厚のバルサで一体的に作ります。ホームの線路側側面は石積みとするため、3mm厚のバルサにマイナスドライバーで押しつぶすようにして積み石の境目を表現したものを貼り付けました。Mrサーフェイサーのグレータイプを吹き付けてから、タミヤカラーのロイヤルライトグレイを塗りました。
ホームの表面は120番の耐水ペーパーを貼り、タミヤカラーのデッキタンを塗っておきました。
駅舎の基礎の表面はボール紙、側面は画用紙を貼りタミヤカラーのロイヤルライトグレイを塗ってあります。
最後に、クレパスの黒と焦げ茶色の粉で全体を汚してあります。

道路の基礎は、2mm厚のコルクを貼りました。駅広から線路沿いに進み、踏切を越える部分は幅60mm(3間道路)で車のすれ違いができ、駅裏の部分は幅40mm(2間道路)で、こちらはすれ違いが難しい道路です。
建物の基礎は、3mm厚のバルサにタミヤカラーのロイヤルライトグレイを塗ったものです。機関庫部分は、枕木を隠すため表面をボール紙で覆ってあります。
それぞれ何が建つかわかりますか?

照明を付ける建物の基礎に0.6mm径の真鍮線を2本ずつ、台枠まで通るように刺します。1本は赤(+)、もう1本は黒(-)のマーカーで印を付け、LEDと接続するとき間違えないようにしておきます。台枠の裏側で、真鍮線と照明用電源とを並列に接続しておきます。後で建物を設置するときに、建物に付けたLEDと表の真鍮線を接続する予定です。
建物の照明の他、3間道路に設置予定の3本の街灯用に、道路脇に真鍮線を刺しておきました。この真鍮線は草で隠すつもりです。
一応、全ての真鍮線でLEDが点灯可能かテストしてみました。

バラスト撒きの前の最後の仕事は、踏切の渡り板の設置です。2mm厚のバルサをカットし、千枚通しで筋を付け、墨汁の薄め液で汚した渡り板を2箇所の踏切に設置しました。
3間道路の踏切には、ガードレールも付けておきました。

いよいよバラスト撒きに入りますが、その前にやり残していました。踏切の線路外側の渡り板を付け忘れていました。前回3mm厚のバルサと書きましたが、まちがいで2mmのバルサで作りました。

今回も、KATOのN用のバラスト(細目、淡黄色)を使い、台所用洗剤を混ぜた木工ボンド水溶液で固定しました。
N用のバラストは、スケール的にはHOに対応しますが、レールの寸法と比較して小さすぎるので、ポイントの隙間に挟まると、取り出すのに手間がかかります。枕木の上やレールに張り付いたバラストは、竹串の先で簡単に除けますが、ポイントの隙間にはまると、竹串でも細い針金でも届かなくなります。作業が終わる頃に旨くいったのが、カッターの刃先でした。

バラストと枕木に色を付けます。最初に、タミヤカラーのフラットアースを少し薄めにして、全体を筆で塗っていきます。実際は、筆で塗るとバラストが剥がれてしまうので、筆に付けたラッカーを置いていく感じです。
次に、駅構内以外の部分に、上からタミヤカラーのバフを少し薄めにして適当に置いていきます。
駅構内については、タミヤカラーのセミグロスブラックを少し薄めにして全体に置いていき、機関車の止まる当たりは、少し濃いめになるように色を重ねておきます。
さらに、ポイントの動くレールの周辺、ガソリン計量器や給水タンクを設置する前の部分に、今度は薄めてないセミグロスブラックで、油で汚れた状態にしておきます。
最後に、バルサ材の端切れでレール表面のラッカーを剥がしますが、ガードレールなどの表面は汚れたままにしておきます。
ここまで、ポイントの通電障害を気にすること無く作業が進められるのは、トータスのスイッチマシンの補助接点を利用したおかげです。

レールが完成したので、レールに付属する設備として、バルサ材で延長した枕木(?)の上に、モデルワーゲンのポイント転轍機を設置し、2mmの角材で作った車止めを留置線の端に設置しました。